2013/1/25

(無題)  


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2010/12/26

2.運命  

 子猫はその夜、うなされた。館長は彼が心配になり、自分の書斎兼寝室に子猫の寝床を作って見守ることにした。寝ているかと思えば、突然、前脚をかく仕草をした。館長は何かから逃れようとしているのだろうと思った。
 トロンドは森のなかでママと一緒だった。しかし、大きな獣に追い立てられ、離れ離れになってしまった。

 翌朝、夜が白み始めるころ、館長はいつものように散歩に出かけた。キーンと張り詰めた空気。体に突き刺さる冷気が五感を研ぎ澄ませてくれる。館長はいつものコースをはずれ、森のなかに分け行った。大きな岩を回り込む。館長は子猫を見つけた穴の近くを歩き回った。そして、そこにある獣道の痕跡を探した。ルートは3つ。さらに森の奥に行く道。もうひとつは村に向かう道。彼は3つ目のルートを選んだ。子猫の母親を探していたのだ。生後わずか2、3カ月の猫が一匹で生きて行けるはずがない。母親の姿を探した。
 果たせるかな、毛の塊のような大きな猫が横たわっていた。黒と白の見事な猫だった。毛並みが長く、間違いなく子猫の母親のようだ。首と顔に深い噛み傷がある。狼に襲われたのだろう。恐らく、子猫を守るため、彼を穴に隠したのだ。逃げ切れず襲われたのだ。彼は森の大きな木の根元に彼女の体を運んだ。そして周りの落ち葉をかき集め、彼女の亡骸を葬った。
 そして、膝まづいて十字を切った。
 あんない美しい猫が無残な姿とは言え、息絶えた姿は痛ましかった。子猫と毛色は違うけど、母親に似れば大きな猫に育つはず。それほど、母親は立派な猫だった。
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2010/12/18

(無題)  

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 王になる猫

「北欧猫トロンドの冒険」
氷点下23度、ノルウェー、オスロ郊外のとある街。一匹の子猫は懸命に生きようともがいていた。
「なんで、こんなところにいるんだ?」「どうして窮屈なのかな?」
子猫は目の前に見える遠い星々を眺めて、鳴いている。彼は気がつけばこの土管のような深い穴倉に頭を上に向けた状態で滑り落ちていたのだ。
 彼は誰かが気づいてくれないか、1日中鳴き続けた。2日目の夜も。そして、意識が消えて、どれくらいの時間がたったのかわからない。

 4日目の早朝。子猫は再び、息を吹き返した。星はまだ見える。夜が白みはじめている。ふと、耳を済ませると、足音が聞こえる。彼は鳴いた、そして、力の限り鳴き続けた。
 足音が土管に響く。「近づいてきている」。それがわかりながら、意識が薄らいで行く。
 何かが顔をつかもうとする。彼はそれに噛み付いた。体が土管から引っ張り上げられる浮遊感がした。そして、大きな人間に抱きあげられた。深い瞳。緑色の深い悲しみの色をたたえていた。黒い毛。白い手からは赤い血が流れている。
(トロンドの回想記より)

 気がつけばぼくはネイビーの毛の長いコートにくるまって寝ていた。見渡すとすごく高い天井。むき出しの梁が見える。あたたか暖炉からぱちぱちと燃えている。ぼくを土管から引き上げてくれたひとの家だった。自分の傷を嘗め回し、顔を洗った。そして、助けてくれたひとを観察していると、彼もぼくを観察して、微笑んでいた。
 抱き上げられた。
「名前はトロンドにしよう。お前は綺麗な子だな。我慢強いし、体が強い」。
そういって暖炉で暖めたミルクをもってきてくれた。どれほど飲んでも喉の渇きは納まらない。まだ、飲み足りないので大きくひと鳴きした。ぼくは抱き上げられて、傷の具合を調べられた。ぼくの体はこのひとのコートに再び包まれて、暖炉の前に横たえられた。
 本がたくさんあり、絨毯の毛は深い。そして、ぼくは眠りについた。生きている。心の底から喜びがこみ上げてきた。

 


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2010/12/18

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